追跡


健康診断で太り気味と診断されたことがきっかけで走り始めてから5年。
他に趣味と言えるものがないその男にとって走ることは今では生活の一部となっていた

その日も帰宅後、着替えを済ませて走り出した
走るコースはその日の気分によって変えることにしているが
ここ数日は自宅から最寄り駅を通り、地元をはしる国道沿いを隣の市までのコースがお決まりとなっていた
マラソンシーズンが終了した今の時期は特にスピードは上げずジョギング程度のスピードで走ることが多かった

駅へと向かう大通りの交差点に差し掛かったところで
信号待ちをしている男の視界にひとりの女性が入ってきた
青に信号が変わると、走り出した男よりも更に速くその女性は駆け出した

(バスか・・・)
停留所で待っているバスに乗るために急いでいるのだろう、男は思った

ところが女性はバスの横を通り過ぎ、そのまま歩道を走っていく
男の走るスピードと重なり、ちょうど女性の10mほど後ろを追いかける形となった

(すぐに歩き出すはず・・・)

男がそう判断するのは当然だった
女性はタイトなスカートをはき、肩にかけた小さいバッグを手で押さえ、足元はローヒール
走るには都合の悪い条件だった


しかしそんな予想を裏切り、女性の「快走」は続く
途中で歩き出すことはもちろん、信号以外では立ち止まることさえしない
高架橋への登りもほとんどスピードを変えずに走っていく


気が付くとすでにあの交差点から3km近く走り続けていた
この女性は何のためにどこへの急いでいるというのか?

駅からの距離を考えれば、普通ならタクシーを使うはずだ。捕まらなかったのか?
帰宅ランか?それにしてはあの格好が説明できない

いろいろ考えながら走り続ける男はふと頭上の看板に気がついた
そこには地元で有名な大きい総合病院への案内図があった

(知り合いが救急で運ばれて病院へ向かっているのか?)

ところが、そんな予想はまたも外れてさらに女性は走り続ける
そして細い路地へと入って行った


・・・・


住宅街に入ってからは距離をとっていた男は慌てて道路を横断しようと飛び出した
その瞬間・・・


男は強い衝撃を感じ、浮いた身体はそのまま地面に叩きつけられた
朦朧とする意識の中で運転手が携帯を手にしながら心配そうに顔を覗き込んでいるのがわかった


そして、道路の反対側から見ていたのは・・・あの女性だ

一瞬だけ口元に笑みを浮かべたように見えたのは気のせいか
そして女性は先程までと同じように走り出し男の視界から消えていった

近づいてくる救急車のサイレンを聴きながら、男の意識は遠くなっていった・・・



※この話は実話をもとに一部再構成しています。・・・なんて
もう一度見かけることはないと思うけど、ヒジョーに気になった



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最後までありがとうございました。福助
みなさんからのコメントもお待ちしています。
 

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4 Comments

レイ  

ひや~怖い話
夜ランはお気をつけあそばせ

2014/05/20 (Tue) 21:29 | REPLY |   

proceed2600  

実話なんですか~
というか、怖い。
大丈夫なのでしょうか?(゚Д゚;)

2014/05/21 (Wed) 02:06 | REPLY |   

Kazu  

レイさん

どこか映像化してくれるトコないですかね?
世にも奇妙な物語・・・とか

それにしてもあの女性、なぜ走ってたのかナゾです

2014/05/21 (Wed) 22:22 | EDIT | REPLY |   

Kazu  

proceed2600 さん

紛らわしい書き方だったようでスイマセン
実話は前半部分、ラストの部分は架空の話です
走る格好してないけど、速い女性がいたってお話です

2014/05/21 (Wed) 22:29 | EDIT | REPLY |   

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